【マーケティング検定3級】試験対策③‐マーケティング・リサーチ

データアナリスト

皆さんこんにちは!にゃんこ部長です。
こちらの記事は、マーケティング検定3級の取得を目指して学習中の筆者が、試験対策と備忘録もかねてマーケティング用語などをまとめたものです。
以下の書籍を参考に学習したものをまとめています。

今回の記事は試験対策の第3回目として、出題範囲からマーケティング・リサーチの章で特に覚えておくべき用語を解説します!

用語解説の前にマーケティング・リサーチとは、自社に必要な情報を識別するために、正確な情報を効率良く収集・分析して意思決定をサポートするためのツールや手法のことです。

次の章からマーケティング・リサーチの代表的なツールや手法について学んでいきます。

マーケティング・リサーチの類型

まず前提として、マーケティング・リサーチには5つのステップの存在しており、「問題の設定」 → 「リサーチ・デザインの決定」 → 「データ収集方法・形式のデザイン」 → 「測定尺度とデータ分析」 → 「調査報告書の作成」 の順に進めていく。

その中で、上記ステップの2番目にあたる「リサーチ・デザインの決定」には「マーケティング・リサーチの類型」があり、それぞれ調査目的に従い、以下3つの方法から選択する。

方法分類調査目的
探索的リサーチ定性的リサーチマーケティング問題やアイデアを発見するために用いる。
現在直面する問題を明らかにしたり、リサーチ全体においてどの情報収集を
先に行うかを決めたり、非実践的なアイデアをふるい落としたりする。
記述的リサーチ定量的リサーチ消費者や市場などのマーケティング環境を記述するために用いる。
特定グループの特性を記述したり、特定の行動様式を持つ集団が全体の中で
どの程度の割合で存在するのか推定したり、特定の事象を予測したりする。
因果関係リサーチ定量的リサーチある事象の原因や結果の関係性(方向性の強さ)を特定するために用いる。
ある結果をもたらす複数の原因のうち、いくつかの因果関係について推論
することを試みる。

上記の探索的リサーチにはいくつか主要な方法があり、それぞれに特徴があるため以下で説明する。

探索的リサーチの種類特徴
文献検索(文献調査)新聞や雑誌、書籍、パンフレット、インターネット、データベースなど様々な情報源から、
目的に適した情報を収集する。
経験調査実際の商品やサービスを調査者が店頭で購買したり、実際に使用してみたりすることで洞察を得る。
グループ・インタビューターゲットとなる顧客から調査対象の商品やサービスについて、正確で率直な意見を
効率良く集めるために利用される方法。
調査目的に合わせて、ターゲットとなる顧客の代表(被験者)を数名選定して、対象商品や
サービス、思考やニーズなどについて自由に意見交換してもらい、発話データから洞察を得る。
グループ・インタビューは人数が多いほど良い調査になるというわけではなく
インタビュアーの力量や被験者の性質によって、意見交換が活性化するかどうかが決まる。
事例分析過去に起こった事例を情報収集して、特定の行動に対してどのような結果が得られたのかなどを
分析して洞察を得る。

収集するべきデータ

マーケティング・リサーチにおいて収集するべきデータは大きく以下の2つに分類できる。

一次データ調査者が調査目的のために固有の方法で収集したデータ
二次データ何かしらの目的で収集されたデータ
※参考にはなるが、必ずしも調査者自身の調査目的を満たすものとは限らない

マーケティング・リサーチにおいて調査目的を達成するには、ターゲットとなる顧客すべてに調査を行うことが望ましいが、現実的にはコストや時間の関係で不可能である。
そのため、低コストで効率良くデータを収集するための手法として、サンプリングがある。

サンプリングとは?
  • 母集団(調査対象となる全てのもの)からその全体を代表するような標本(サンプル)を選び出し、それを調べることで調査結果から母集団の全体を推定すること
  • 代表的なサンプリング手法として、無作為抽出法(対象者をランダムに抽出する手法で、母集団を代表する手法として広く採用されている)がある
データ収集方法について

マーケティング・リサーチを行ううえで必要なデータを収集する主な方法として、以下の2つがある。

コミュニケーション手法調査者が聞きたい項目を質問して答えてもらう方法
観察法・被験者の自然な様子を観察して記録する方法
・知りたい項目を直接被験者に尋ねることはできないため、希望通りのデータが
得られない可能性がある。

測定尺度

測定尺度とは、物事の一定の性質を数値化して評価・判断する際の基準となるもので、統計学やマーケティングの分野で扱われている。

測定尺度には、名目尺度序列尺度間隔尺度比尺度の4つがある。

名目尺度・性別や職業などにおいて、その内容を区分するために数字を用いたものを指す
 例:性別に関して「男性=1」「女性=2」など
・数量的な意味は持たない(上記の例で「1+2=3」などの計算はできない)
序列尺度・ブランド順位や市場シェア順位などの順序を示すが、その間隔に意味のないもの
 例:「1位」「2位」「3位」は順序を示すが、この間隔に意味はない
間隔尺度・ブランドに対する選好(「1=全く好きではない」〜「5=非常に好き」)や
 温度(摂氏、華氏)などの間隔が等しいもの
・四則演算のうち、加法と減法を適用できる
 例:「摂氏20度は10度の2倍暑い」ということはできないように、乗法、除法を
   用いた比率は適用できない
比尺度・身長、年収などのように、絶対的な基準となる「0(ゼロ)」が決まっており、
 四則演算のうち加減乗除を適用できるもの
・感覚尺度との違いは「0」に意味があるかどうか
・比率にも意味があり、被験者の違いを比較することもできる
 例:「年収400万円の人は200万円の人の2倍である」というように比を考えることが
   できる

名目尺度序列尺度を合わせて質的データ間隔尺度比尺度を合わせて量的データと呼ぶ。

統計的検定

統計的検定の基本的な考え方

統計検定では、検証したい変数同士を直接的に証明することができないため、次のような方法を用いて、判断する。

検証したい仮説とは逆の仮説(帰無仮説)を立てて、帰無仮説が非常に低い確率でしか成立しないことを確認することによって、元の調査仮説を支持するという手続きを取る。
この手続きの判断基準となる数値を有意水準といい、一般的に5%が採用される

統計的検定・分析の主な手法

<2変数間の関連性の検定・分析>

カイニ乗検定2変数が名目尺度や序列尺度で測定されている場合、クロス表分析によるカイ二乗検定が適用される
・全体の数と特定の事象から算出される「期待値」をもとに、実際に収集されたデータである「観測値」の
 ズレを統計的に検証することで、2変数の関連性を確認する
相関分析2変数が間隔尺度や比尺度で測定されている場合、相関分析が適用される
相関係数が算出され、2変数間の関連の強さが表される
 ・相関係数の種類は以下3つ
  ・正相関:一つの変数が増大すればするほど、もう一方の変数が増大する
  ・負相関:一つの変数が増大すればするほど、もう一方の変数が減少する
  ・無相関:一つの変数が増大しても、もう一方の変数は無関係な値をとる
・相関係数は「ー1~+1」までの範囲の値をとる
 ・正相関:+1に近くなる
 ・負相関:-1に近くなる
 ・無相関:0になる

<グループ間の関連性の検定・分析>

t検定 / 分散分析・グループ間の関連性の検定で適用され、名目尺度と間隔尺度、あるいは名目尺度と比尺度との関連を把握する
t検定(2つのグループ間で検証する手法)
 例:男性と女性における身長差の検証
分散分析(3つ以上のグループ間で検証する手法)
 例:学生と主婦とサラリーマンにおける収入格差の検証

※いずれも特定の変数の平均値に差があるかどうかを検証する手法

<多変数(多変量)の関連性の検定・分析>

回帰分析・ある現象を複数の変数によって予測や説明する場合に適用される
・原因となる変数(説明するための変数なので説明変数(または独立変数)と呼ぶと)、
 結果となる変数(分析の目的となる変数なので目的変数(または従属変数)と呼ぶ)の
 関連性を検証する
・多変数(多変量)データの分析には、回帰分析以外にも、データに潜む共通因子を探り出す因子分析
 多変数(多変量)データから類似したものを集めて、いくつかの集落(クラスター)に分類するクラスター分析などの手法がある

まとめ

以上、マーケティングのマーケティング・リサーチの用語解説でした!

当記事はマーケティング検定3級の出題範囲から重要用語をまとめたものですので、資格取得を目指す方は日本マーケティング協会が発行する参考書、問題集を用いて体系的に学習することをオススメします!

マーケティング検定3級の学習には、日本マーケティング協会発行の「内閣府認定 マーケティング検定3級試験 公式問題集&解説」がおすすめです。以下リンクよりご確認ください。

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